富士山風下の乱気流 
模型実験の理論と応用より転載
火災旋風の模型実験
模型実験の理論と応用より転載
 模型実験の先駆者 相馬 清二 博士
 業績
 1966年 英国BOAC BOEING707静岡県御殿場市上空空中分解事故の原因を突き止めた。高度による空気の密度変化を模型実験で再現し、また単なる実験に終わらず現地に足を運び、模型と実際の現象の整合を確認した。(「模型実験の理論と応用」3版 p7-9)
 関東大震災時本所被服敞跡で起こった大火災を長年信じられていた寒冷前線の通過ではなく、火災旋風であった事を模型実験により証明した。(「模型実験の理論と応用」3版 p9-11)
 略歴
1916年 青森県出身
1938年 中央気象台附属測候技術官養成所本科(現気象大学校)卒業
      中央気象台、札幌管区気象台に勤務
1944~1949年 中央気象台附属測候技術官養成所 研究学生
1949年 気象研究所勤務
1956年 気象研究所物理気象研究部第一研究室長
1968年 理学博士(北海道大学)
1978年 気象研究所退職
     成蹊大学講師
 著書、主要論文
「富士山風下における乱気流の研究」 科学技術庁特別研究促進調整費並びに気象研究所特別研究費による研究 1988年
・「富士山-その自然のすべて-」 共著 同文書院 1992年
「被服廠跡に生じた火災旋風の研究」地学雑誌84(4)、東京地学協会、1975.08
「市街地を包みこんだ火災旋風--被服廠跡,ハンブルグおよび石油基地での火災旋風」 技術と人間6(3)技術と人間 〔編〕、1977.03
「竜巻が大都市を襲ったら…」、科学朝日39(3)、朝日新聞社 〔編〕、1979.03
「災害に関する相似模型」、相馬 清二; 平野 敏右、日本機械学会誌83(735)日本機械学会、1980.02
「車の安全走行を脅かす氷雪,濃霧,突風--特に突風事故について自動車技術36(5)、自動車技術会、1982.05
 参考文献
・江守一郎・斎藤孝三・関本孝三、「第三版 模型実験の理論と応用」、技報堂出版、2000
・江守一郎、「機械のはなし」 技報堂出版 1986年
・江守一郎、「模型からの発想」-新技術に挑むスピリット 講談社ブルーバックス 1985年
・柳田邦男、「マッハの恐怖」、フジ出版社、1971年